2019年夏休みは、アメリカはHigh Sierra、The Sawtooth Ridge area に位置するIncredible Hulkに登ってきました。
Incredible Hulkのことは、Trad Climber's Bibleを読んで知りました。Peter Croftの後半の章で、掲載されていた写真のハルクの格好良さと言ったら!!
周辺のTuolumneやMammoth Lake付近の岩にも行きました。
日程は、移動含めて10日間。実際にクライミングしたのは5日間。
登ったルートは下記の通り。
1、North Arete 5.6 3P/Crystal Crag(Mammoth lakesエリア)
2、West Pillar Direct 5.10b 5P/Eichorn pinnacle(Tuolumne)
3、Red Dihedral5.10b 12P/Incredible Hulk (Sawtooth Ridgeエリア)
4、Gold Mind 5.9, Ellery Arete 5.10d,Dihedral5.10a /Ellery Dam Spillway Crag (Tioga Pass付近)
5、Lucky Streaks 5.10c 6p/ Fair View Dome (Tuolumne)
当初はThird Piller Of Danaのレギュラールート5.10- 5pをHulkの後にやる予定でしたが、体力的な問題でショートルート(4)に変更しましたが、それ以外は予定通り。
今回のトリップでよかったこと
・Hulk登れた!
・色々な動物に会えた!
・ドームのスラブが無事下降できた
・クライミング以外の旅のあれこれで無駄な消耗がなかった(手続き、時差ボケなど)
反省点
・蚊の対策してなかった
・アプローチの体力なさすぎ
・有名クライマーの顔はしっかり覚えておこう
・日焼け止めは忘れずに塗ろう
・猛暑では温泉より水浴びがいい
・荷揚げはしようと思わない方がいい
反省点の方がやや多いですが、海外クライミングもかなり慣れてきて大きなアクシデントもなくスムーズな旅でした。
サンフランシスコではなく、リノ空港から車で行ったのも大正解。都市部の渋滞や空港出るまでの時間も節約できて、途中のドライブもよかったです。
時差ボケ対策も出発1週間前から起床時間を1時間ずつずらしたのがよかったのか、気持ち悪くなったり異常に眠くなることもありませんでした。
今回は主目的のIncredible Hulk登攀を中心に予定を組み立てました。
HulkのあるSawtooth RidgeはHoover Wildernessエリアにあり、宿泊を伴う場合は事前にパーミッションの取得が必要です。Bridgeportの町ににあるレンジャーステーションで申請できるのですが、事前にオンライン予約は不可。1日あたりの制限があるっぽかったので、いざというときは1日で登って降りてこようと考えていました。天気のこともあるし、余裕を持って3日間をHulkにあてました。
また、いきなり高所でのクライミングにならないよう、Hulkの前に簡単めのルートを2本やって慣らしてから行くことにしました。
◾️1日目 成田からブリッジポートに宿泊(ロッジ)
まずは、飛行機・車での長距離移動による疲れを癒すためブリッジポートの宿に泊まりました。ブリッジポート周辺は広大な牧場地帯。牛がたくさんいていかにもアメリカっぽい風景。宿からSawtoothの山々がよく見えます。空港から2時間半くらい。
ブリッジポートには宿がいくつかありますが、釣り目的の人が多いらしく、釣りに行ってますプレートがあったり、魚はここで洗え、みたいな注意書きがありました。
◾️2日目 Crystal CragのNorth Arete(クライミング1)
朝はゆっくり目に起床。気温が低くてびっくり。この日は0度近くまで下がったようです。
牛がすぐ近くにいるので、モーモー声聞こえます。
8時にレンジャーステーションが開くので、パーミッションについて訊きに行きました。明後日から2泊の予定だと伝えると、明後日の8時にまた来るように言われました。(予約は有料でできるはずですが、平日の朝イチなら予約なしでも十分だからなのでしょうか)
チェックアウトして、Mammoth Lakesへ移動。道路はリスが頻繁に横切るので要注意。
途中の道で、Mono Lakeが見渡せます。
Crystal CragのアプローチのトレイルヘッドあるGeorge lakeキャンプ場の駐車場につきました。クライマーがちらほらいます。早速、トレイルを出発しようとすると、車から声かけられました。「君、昨日Third Pillerで僕たちの前を登ってたよね!」
どうやらアジア系の私によく似た誰かがいるようです。
アプローチは簡単ですが、思ったよりも登りがしんどく感じました。トポでは45分とありましたが、1時間半くらいかかりました。スタートの標高が2500mくらいあるのと、移動の疲れのせいでしょうか。
ルートはとっても簡単な3ピッチ。景色がよく、岩もキレイ。クリスタルの名の通り、North Areteは真っ白な石英でできています。
初心者が多く来るようです。この日も数珠つなぎで少し待ちながらクライミング。
上部はSouth Summitまで移動してから下降。基部のガレの中にPikaらしき動物がいました。
でっかいキノコがありました。美味しそうでした(食べてません)。
この後、Mammoth Lakesの街に降りてマウンテンショップへ。ガス缶やドライフーズを購入。ついでにPeter Croft著のトポ「The Good, The Great and The Awesome」も購入。HulkのRed DihedralはもちろんThe Awesomeに指定されていました。
Burgers Restaurantというわかりやすい名前のお店で夕食。
デザートにMaltというシェーキみたいなのを頼みました。クリームたっぷり濃厚で美味しかったです。
腹を満たしたら、June LakeにあるOh Ridgeキャンプ場へ移動。
ここはhttps://www.recreation.gov/で予約もできて、Tuolumneまで1時間くらい、Mammoth Lakesまで20分くらいの場所にあって、立地がよかったのでここを6泊確保しました。途中Hulkで2泊空けますが、天気などで変更があってもいいように連泊で取っておきました。Tuolimneのキャンプ場は予約が常にいっぱいで全然予約できません。
(予約できないキャンプ場もTioga passなどに沢山ありますが、宿泊場所が確保できていると安心です)
キャンプ場にはやっぱりリスがたくさんいます。
ヨセミテやバガブーと違って、そこまで悪さはしなさそうでした。
キャンプ場では、買ったばかりの卵を落としてしまうアクシデントがありました。。。
◾️3日目 Eichorn PinnacleのWest Pillar Direct(クライミング2)
昨日、到着が遅かったので、チェックイン手続きのため8時までキオスクが空くのを待ってから出発しました。
Tioga Passを通ってTuolumneへ。Tioga loadはすごい景観です。
寒いかなと思ったら、この日は前日と違って朝から気温高め。
Tuolumne Meadowはすでに沢山の人。カシードラルレイクトレイルヘッドの駐車場ではハイカーやクライマーが出発準備中でした。
Jhon Mhur トレイルを行きます。
クライマーがいたので、Eichorn pinnacleか聞いたら、カシードラルのNorth Buttressだとのこと。Eichorn pinnacleはさぞ人気ルートだろうと思っていたのでしたが、この日は私たちだけでした。
なんだか肩がかゆいなーと思っていたら、
ものすごい蚊の攻撃にあっていました。肩のところが服がぴったりしているので、そこばかり狙って刺していた模様。暑かったけど、長袖のまま、蚊を払いながら歩きました。
ハイキングトレイル上のアプローチは意外と時間かかって分岐まで1.5時間でした。
目指す岩塔はよく見えるものの、クライマー道は見つからず、30分くらいうろうろしてしまいました。
結局、道なき藪に突っ込みました。斜めに横切るように斜面を上がっていけば、どこかで踏み跡にぶつかるかもしれない、と考えて進んだら、途中にそれっぽい踏み跡を発見しました。よかった。
途中、甘くリンゴのようないい匂いのハーブがたくさん生えていました。
蚊がいなくなったあたりで休憩。
無事、取り付きに着きました。
立派なワイドクラックから登ります。
登りは快適ですが、日陰は寒かったです。
最後の方はカシードラルから登ってきたクライマーと合流しました。
下降はアプローチと同じ側に降りるとSuper Topoにあったけれど、良くわからず。
カシードラルの取り付き側に降りました。こっちの方が、多分楽なはず。
West Pillerはカシードラルに比べると随分登る人が少ないのか、アプローチも下降路も不明瞭でした。
降りも蚊に悩まされ、駐車場についたらもうすぐ暗くなる時間でした。
ドライブ途中で下車し、Third Pillerのアプローチを確認してからキャンプ場へ。
翌日は、いよいよIncredible Hulkです!
その2へ続く
Incredible Hulkのことは、Trad Climber's Bibleを読んで知りました。Peter Croftの後半の章で、掲載されていた写真のハルクの格好良さと言ったら!!
周辺のTuolumneやMammoth Lake付近の岩にも行きました。
ブリッジポートの貯水池からながめたSawtooth Ridgeの山々 |
日程は、移動含めて10日間。実際にクライミングしたのは5日間。
登ったルートは下記の通り。
1、North Arete 5.6 3P/Crystal Crag(Mammoth lakesエリア)
2、West Pillar Direct 5.10b 5P/Eichorn pinnacle(Tuolumne)
3、Red Dihedral5.10b 12P/Incredible Hulk (Sawtooth Ridgeエリア)
4、Gold Mind 5.9, Ellery Arete 5.10d,Dihedral5.10a /Ellery Dam Spillway Crag (Tioga Pass付近)
5、Lucky Streaks 5.10c 6p/ Fair View Dome (Tuolumne)
当初はThird Piller Of Danaのレギュラールート5.10- 5pをHulkの後にやる予定でしたが、体力的な問題でショートルート(4)に変更しましたが、それ以外は予定通り。
今回のトリップでよかったこと
・Hulk登れた!
・色々な動物に会えた!
・ドームのスラブが無事下降できた
・クライミング以外の旅のあれこれで無駄な消耗がなかった(手続き、時差ボケなど)
反省点
・蚊の対策してなかった
・アプローチの体力なさすぎ
・有名クライマーの顔はしっかり覚えておこう
・日焼け止めは忘れずに塗ろう
・猛暑では温泉より水浴びがいい
・荷揚げはしようと思わない方がいい
反省点の方がやや多いですが、海外クライミングもかなり慣れてきて大きなアクシデントもなくスムーズな旅でした。
サンフランシスコではなく、リノ空港から車で行ったのも大正解。都市部の渋滞や空港出るまでの時間も節約できて、途中のドライブもよかったです。
時差ボケ対策も出発1週間前から起床時間を1時間ずつずらしたのがよかったのか、気持ち悪くなったり異常に眠くなることもありませんでした。
成田空港ではTravelaungeを使ってみました |
今回は主目的のIncredible Hulk登攀を中心に予定を組み立てました。
HulkのあるSawtooth RidgeはHoover Wildernessエリアにあり、宿泊を伴う場合は事前にパーミッションの取得が必要です。Bridgeportの町ににあるレンジャーステーションで申請できるのですが、事前にオンライン予約は不可。1日あたりの制限があるっぽかったので、いざというときは1日で登って降りてこようと考えていました。天気のこともあるし、余裕を持って3日間をHulkにあてました。
また、いきなり高所でのクライミングにならないよう、Hulkの前に簡単めのルートを2本やって慣らしてから行くことにしました。
◾️1日目 成田からブリッジポートに宿泊(ロッジ)
まずは、飛行機・車での長距離移動による疲れを癒すためブリッジポートの宿に泊まりました。ブリッジポート周辺は広大な牧場地帯。牛がたくさんいていかにもアメリカっぽい風景。宿からSawtoothの山々がよく見えます。空港から2時間半くらい。
ブリッジポートには宿がいくつかありますが、釣り目的の人が多いらしく、釣りに行ってますプレートがあったり、魚はここで洗え、みたいな注意書きがありました。
釣りに行ってます!のプレート |
Big Meadow Lodgeは国道沿いにある。 |
こじんまりしているけど、綺麗で快適 |
◾️2日目 Crystal CragのNorth Arete(クライミング1)
朝はゆっくり目に起床。気温が低くてびっくり。この日は0度近くまで下がったようです。
牛がすぐ近くにいるので、モーモー声聞こえます。
8時にレンジャーステーションが開くので、パーミッションについて訊きに行きました。明後日から2泊の予定だと伝えると、明後日の8時にまた来るように言われました。(予約は有料でできるはずですが、平日の朝イチなら予約なしでも十分だからなのでしょうか)
チェックアウトして、Mammoth Lakesへ移動。道路はリスが頻繁に横切るので要注意。
途中の道で、Mono Lakeが見渡せます。
Mono Lake。琵琶湖より大きい?! |
Crystal CragのアプローチのトレイルヘッドあるGeorge lakeキャンプ場の駐車場につきました。クライマーがちらほらいます。早速、トレイルを出発しようとすると、車から声かけられました。「君、昨日Third Pillerで僕たちの前を登ってたよね!」
どうやらアジア系の私によく似た誰かがいるようです。
穴があったら覗きたい |
トレイルから見えるCrystal Crag |
アプローチは簡単ですが、思ったよりも登りがしんどく感じました。トポでは45分とありましたが、1時間半くらいかかりました。スタートの標高が2500mくらいあるのと、移動の疲れのせいでしょうか。
Crystal Lake |
ルートはとっても簡単な3ピッチ。景色がよく、岩もキレイ。クリスタルの名の通り、North Areteは真っ白な石英でできています。
初心者が多く来るようです。この日も数珠つなぎで少し待ちながらクライミング。
North Areteルートの出だしのところ |
石英質のクラック |
おきまりの岩塔に立ってポーズ |
怖い・・・ |
South SummitからMammoth Lakesの眺め |
上部はSouth Summitまで移動してから下降。基部のガレの中にPikaらしき動物がいました。
でっかいキノコがありました。美味しそうでした(食べてません)。
きのこ発見 |
でっかい! |
この後、Mammoth Lakesの街に降りてマウンテンショップへ。ガス缶やドライフーズを購入。ついでにPeter Croft著のトポ「The Good, The Great and The Awesome」も購入。HulkのRed DihedralはもちろんThe Awesomeに指定されていました。
Burgers Restaurantというわかりやすい名前のお店で夕食。
デザートにMaltというシェーキみたいなのを頼みました。クリームたっぷり濃厚で美味しかったです。
本場のハンバーガーは肉厚 |
デザートにMalt |
腹を満たしたら、June LakeにあるOh Ridgeキャンプ場へ移動。
キャンプ場はJune lakeのビーチのすぐそばです |
ここはhttps://www.recreation.gov/で予約もできて、Tuolumneまで1時間くらい、Mammoth Lakesまで20分くらいの場所にあって、立地がよかったのでここを6泊確保しました。途中Hulkで2泊空けますが、天気などで変更があってもいいように連泊で取っておきました。Tuolimneのキャンプ場は予約が常にいっぱいで全然予約できません。
(予約できないキャンプ場もTioga passなどに沢山ありますが、宿泊場所が確保できていると安心です)
キャンプ場にはやっぱりリスがたくさんいます。
ヨセミテやバガブーと違って、そこまで悪さはしなさそうでした。
キャンプ場では、買ったばかりの卵を落としてしまうアクシデントがありました。。。
茶と青色の卵。落として割ってしまった! こちらの卵は固めで、ヒビが入ったものの大方は無事でした。 |
◾️3日目 Eichorn PinnacleのWest Pillar Direct(クライミング2)
昨日、到着が遅かったので、チェックイン手続きのため8時までキオスクが空くのを待ってから出発しました。
おはよう、シカさん。 |
Tioga Passを通ってTuolumneへ。Tioga loadはすごい景観です。
寒いかなと思ったら、この日は前日と違って朝から気温高め。
Tuolumne Meadowはすでに沢山の人。カシードラルレイクトレイルヘッドの駐車場ではハイカーやクライマーが出発準備中でした。
トレイルから見えるカシードラル。かっこいい! |
Jhon Mhur トレイルを行きます。
クライマーがいたので、Eichorn pinnacleか聞いたら、カシードラルのNorth Buttressだとのこと。Eichorn pinnacleはさぞ人気ルートだろうと思っていたのでしたが、この日は私たちだけでした。
なんだか肩がかゆいなーと思っていたら、
ものすごい蚊の攻撃にあっていました。肩のところが服がぴったりしているので、そこばかり狙って刺していた模様。暑かったけど、長袖のまま、蚊を払いながら歩きました。
ハイキングトレイル上のアプローチは意外と時間かかって分岐まで1.5時間でした。
目指す岩塔はよく見えるものの、クライマー道は見つからず、30分くらいうろうろしてしまいました。
岩塔に向かって適当に登っていく |
森を抜けたら歩きやすい |
結局、道なき藪に突っ込みました。斜めに横切るように斜面を上がっていけば、どこかで踏み跡にぶつかるかもしれない、と考えて進んだら、途中にそれっぽい踏み跡を発見しました。よかった。
途中、甘くリンゴのようないい匂いのハーブがたくさん生えていました。
蚊がいなくなったあたりで休憩。
いい匂いの植物 |
無事、取り付きに着きました。
立派なワイドクラックから登ります。
取り付きから見た立派なクラック。ここ登れ!って言ってます。 |
2P目の出だし。 |
2P目の終了点から |
Tuolumneって感じの岩だらけの景観 |
頂上に向かって登る(人が小さい!) |
岩塔からの眺め |
頂上で下降の準備 |
下降中、Eichornを振り返る。 頂上に別パーティのクライマーがいる。 |
登りは快適ですが、日陰は寒かったです。
最後の方はカシードラルから登ってきたクライマーと合流しました。
下降はアプローチと同じ側に降りるとSuper Topoにあったけれど、良くわからず。
カシードラルの取り付き側に降りました。こっちの方が、多分楽なはず。
West Pillerはカシードラルに比べると随分登る人が少ないのか、アプローチも下降路も不明瞭でした。
降りも蚊に悩まされ、駐車場についたらもうすぐ暗くなる時間でした。
トレイルヘッドの駐車地。 |
ドライブ途中で下車し、Third Pillerのアプローチを確認してからキャンプ場へ。
月が出てきました。 |
夕暮れのTioga Load |
翌日は、いよいよIncredible Hulkです!
その2へ続く
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