シエラクライミングレポート その3

その1その2の続きです。

◾️6日目の続き ハルクから下山後

腹を満たした後、ブリッジポートの街の近くにあるトラバーチン温泉に向かいました。
ブリッジポートやMono湖などの周辺にはいくつかの野温泉があるのです。
FreeFanの#078でヨレヨレボーイズも紹介していました(彼らはMammoth Lakesの近くの温泉っぽいです、詳細不明)

Oh Ridgeキャンプ場にはシャワーがないので、無料の野温泉でひとっ風呂浴びたら気持ちいいかなーと思っておりました。

こんな暑い日の昼間に、人は少ないだろうと思ったら、そんなことはなく、大賑わい。
湧出部から近い所に岩で囲まれたバスタブがありましたが、アメリカンなお姉さんたちがみっしり入っていたので、もっと下流のぬる目のバスタブに行きました。

ぬる目のバスタブ


濁り湯です

底に溜まった泥は気持ちいい



泥をすくってみました。気持ちい感触ではありますが、全身入る気にはなれません。
この日が滞在中一番気温が高かった模様。35度以上はあったと思います。
温泉に癒されるどころかヘロヘロになってしまいました。

とにかく涼みたいので、街に戻りました。
下山連絡も日本に入れたいし、ネットもできる所ないかと探しましたが、インターネットと書かれたカフェはお休み。

とりあえず、食料品店に行ってアイス買いました。
ブリッジポートは人口500人くらいの田舎町です。食料品店はとってもこぢんまり。
高校生くらいの店番の男の子に、どこから来たのか訊かれました。日本からきたと言ったら「そんな遠くから来たの!ネットで調べたけど日本はとってもプリティだよね」と超興奮して言われました。ここの方がずっと素晴らしいと思うんだけどなあと思って苦笑い。日本を美化しすぎではと思ってしまいました。

June Lakeに戻ることにしました。車のエアコンをガンガンかけても暑くてたまらず、途中、Mono Lake のビジターセンターに立ち寄りました。Mono湖やヨセミテなどのいろいろな展示があり、眺めのいい展望所もあっていいところでしたが、とにかく暑くてぐったりです。

June Lakeの街に到着。ウロウロしたら図書館に着きました。Wifiがあったので下山報告したり天気確認しました。キャンプ場にはWifiないけど、ここまで来ればいつでもネット通信できていいなと思いました。(結局この時1回来ただけでしたが)

テラスでアイスを食べている人たちがいっぱいいる店発見。June Pizza&Coneという店です。フロートを買いました。コーヒーを切らしていたみたいなのでオレンジフロートにしました。


オレンジソーダは着色料バリバリ?!


カップがでかいです


近くの食料品店にも立ち寄りました。強力な虫除けを買おうか迷いましたが、後2日なのでやめておきました。安全性も???ですし。ディート99%とか、日本じゃNGなやつですよね。

リスの図鑑を買いました

その後、ビーチに向かいました。
キャンプ場のすぐ近くにボルダーエリアがあるのですが、いかにもボルダラーって感じのお兄さん2人が登っていました。


湖入りました(私は水浴びのみ)

頭洗ってます

冷たいかと思ったけど、水温20度くらいで快適。
綺麗なビーチなのに、そんなに混雑していなくていい感じです。
ビーチへの道は、キャンプ場内からしかいけません。(ただし、キャンプ場の宿泊者専用ではない)

白い砂浜もあります

水浴びでさっぱりして涼しくなりました。
猛暑日には温泉より水浴びが正解ですね。
 
キャンプ場に戻って食事しながら、明日はどうしようか話し合いました。
ハルクで疲れたのか、蚊と戦って疲れたのか、暑さで参ってしまったのか、
明日早起きして3マイルのアプローチは無理だという結論になりました。

残念ですが、今回はThird Pillar of Danaは諦めることにしました。

キャンプ場にもBeldingジリス?!

Golden-mantledジリスは一番ふてぶてしい気がする


◾️7日目 Ellery Damでのショートピッチ クライミング4

U.S.395から撮影したThird Pillar od Dana(一番とんがっているやつ)

Third Pillar of Danaを諦めたので、代わりにショートルートのエリアへ行きました。
ドライブ中に国道から見えるThird Pillarを眺めつつ・・・

Ellery Dam付近の岩場です。Tuolumneのスーパートポにも紹介されています。

岩場からの眺め。対岸にTioga Loadが走っています。
スフィンクスみたいな岩にもルートあります。


同じ駐車場からいく、Speed of Lifeという2ピッチの四つ星ルートにも興味ありましたが、そんなに簡単じゃない6インチくらいのワイドパートがあるみたいなので、持ちギアの関係上、やめておきました。
駐車場から見えるSpeed of Life

午前の日陰のうちに3本登りました。(私はトップロープのみ)
ボルトの支点もしかっりしているし、トップロープも簡単に張れるし、ちょっとしか時間ない時とかに立ち寄るのに良いスポットだと思います。

Gold Mind 5.9
Ellery Arête 5.10d

5.10aのフィンガークラック(TRのみ)

他にクライマーはいませんでした。苔か鉱物の観察をしているらしきおじさんと、ハイキングのカップルが岩場を通過したくらいでした。

さっと登った後、Saddle bag Lakeまでドライブしました。
Mt.Connessがみたかったのです。

湖は殺風景なダム湖だった

未舗装の道でした。行ってみたものの、散歩したい感じはしませんでした(暑い)


Saddlebag lakeへの道の途中で撮影。後ろがMt.Conness?

June Lakeに戻って、昨日食べたのと同じお店でまたアイス食べて、また湖のビーチへ行きました。

湖の色が綺麗

また水浴び


カモメもいます


湖でゆっくりした後、Mammoth Lakesの24時間営業のスーパーに買い物に出かけました。ショッピングセンターみたいな所にあって、かなり大きいです。お土産や夕飯など色々買いました。

キャンプ場では、ガスを消費するために無駄にお湯を沸かしながら夕食にしました。
気温が暖かいせいか、ガスが全然減りません。

チーズは安くて美味しい


ケーキもボリュームたっぷり。お砂糖たっぷり。


◾️8日目 Fair View DomeのLucky Streaks(クライミング5)

クライミング最終日。
日の出前に起床して、キャンプ撤収です。
Fair View Domeへ向かいます。昨日までと違って気温が低かったです。ドライブ中、凍結注意のランプが点灯しました。Tuoumne Meadowには霜が張っていました。トレイルでは蚊も少なかったです。

昼間は気温が上がるとは思いましたが、念の為ホッカイロ(マグマ)を持ってい来ました。

Fair View Domeのアプローチは道路からすぐです。
一番乗りで取り付きに到着しました。
どこを登ったらいいのかぱっと見よくわかりません。

1P目。

気温はだんだん上がってきたみたい安心でしたが、1P目ビレイしている間、寒くて足が痺れてしまいました。取り付きのところに雪渓があるので、冷えたみたいです。

フォローがアプローチシューズ、食料、水を2人分、背負うことにしたので念の為バックロープ用の細挽き持っていくことにしました。(これまではお互いに荷物背負うスタイル)核心ピッチは荷揚げした方が楽かなーと考えたのですが、これが大失敗。

細引きが絡まって面倒なので、途中からサブザックにしまいました。(ただの荷物!)
今までそんなに絡まったことなかったのですが、ロープを下におけるレッジがないのと、ツルベでなかったのが絡まった原因でしょうか。

2P目のビレイしていると、サンフランシスコから来たという若者に追いつかれました。彼らは水も持たず、大きめのカムも持たず超身軽。70mロープで、いくつかのピッチをリンクするとのことだったので、途中で抜いてもらいました。


この日もいい天気

途中で早いパーティーが過ぎるのを待っているところ


溜まっている疲れのせいか、別パーティがいて支点作る場所が限られているせいか、登攀スピードは遅いです。
足も疲れました。Lucky Streaksは、フィンガーでつるっとした壁だろうと思い込んで、柔らかい靴がいいと思ってモカシムを履いていったのですが、実際はノブを使ったステミングがほとんど。TCプロにすればよかったと後悔しました。(抜いていった若者も、後述のガイドのおじさんもTCプロ!)


日差しが迫ってきた


オレンジ色のところはツルっツルでした


5P目のビレイ点で、後からやってきた、サンフランシスコのおじさんに追いつかれました。「クライミングは楽しいかい?」となぜか3回くらい聞かれました。
1、2と3、4のピッチをリンクしてきた模様です。おじさんは5.9のクラック20mくらいの間、1つもプロテクション取っていませんでした。私からみた限りなので、もっと長いかもしれません。
ただ、このパーティはフォローがびっくりするほど遅かったです。おじさんはガイドなのかもしれません。

私たちもそんなに頻繁にプロテクション取ってるつもりはないのですが、こちらのクライマーは本当に簡単なところでは取りません。ギア以外の荷物も少ない。見習いたいところです。

最後のながーいクラックを終えて、トップアウト(ドームの頂上ではありませんが)

終わった!

猛烈な日差しのため、あまりゆっくりせずに下降を開始しました。
私は、ドーム状の下降は初めてなのでドキドキです。

どこを降りたらいいのやら・・・


どこを降りればいいのかよくわからないので、水が流れてできた筋状のところを降りて行きました。

なんとなく道っぽい


急になっちゃった

だんだん、切れ落ちてきてやばい角度になってしまいました。後ろ向きになってクライムダウン。5.6くらいあったかも。ちょっとしたフリーソロです。

いや、これは違うでしょう、と思い、そこから横にトラバースしました。結構つるっとしているし、確保もできないし、怖い!!今回一番怖かった!


怖くてずっと四つん這い


あれ、もう大丈夫?


やっと二足歩行


トラバースしてドームの裏側の方に行ったら、だんだん傾斜が落ちてきて立って歩けるようになって一安心でした。下降は出来るだけ裏側に回った方がよかったのかもしれないと思いました。(Croftのトポを見直したら、上に登って裏側にトラバースして回ってから南に降りろとありました)

登り切ったというより、降り切った達成感でいっぱい



基部に戻ったら、2パーティが登っているところでした。(1パーティはガイドのおじさん、まだTopアウトしてなかった!!)

2パーティ登ってます。



朝はよくラインがわからないと思いましたが、人が登っているとルートわかりやすいです。

5P目と3P目に人がいます

ドームの下降で精神的にドット疲れてしまいました。
車に戻って、Tuolumneのビジターセンターに立ち寄って、LeeViningでガソリン入れて、カーソンシティの宿に向かいました。
LeeViningのでっかいガソリンスタンドにはレストランもありました。
Croft氏曰く、ガソリンスタンド付属のレストランでは一番美味しいそう。※The Good,The Great and the Awesomeに載ってました。この本、美味しいもの情報も多いです)

宿まで、Lee Viningから2時間半。
西日の中の運転に、さらに疲れが増しました。

宿にチェックインしてから近くのステーキ屋さんでたらふく食べて、荷造りして寝ました。夜11時くらいまで起きていたら、足元がフラフラしました。

1ポンドのステーキ



◾️9日目 空港へ

旅もいよいよ終わりです。
あっという間でした。

汚くなったフロントガラス越しに、リノの街が見えてきた

空港内にはカジノのマシンがあちらこちらにあります。リノはネバダ州で第二のカジノ都市だそうです。一位はもちろんラスベガスです。
鉱物採掘の展示や、ビッグホーンシープ、熊の剥製などみて時間潰しました。

スロットマシーン。結構やってる人いました。


ビッグホーンシープが3匹。

朝ごはんを食べたばかりでしたが、最後に食べておきたいものを詰め込みました。

最後に、ドーナッツ

フルーツたっぷりヨーグルト

飛行機からはタホ湖が良く見えました。
混雑したサンフランシスコの空港で乗り換えて、ほぼ一睡もせず映画を見まくって成田に到着。毎度のことですが、日本の湿気にびっくりしました。


高山植物とHulk


◾️帰国後


The Good,The Great, and The Awesomeをじっくり読んでいます。

このトポのいいところは、アプローチの情報に「時間」を書いていないところです。距離と登高距離、道の状態についてしか言及していません。
アプローチ○分とあっても、体力レベルで時間はかわってしまうので、そんなに参考にならないと思います。今回のCrystal CragやEicornやHulkも、Super Topoの記載時間より随分かかってしまいました。

もっと体力をつけたいなあと思います。体力があれば、もっともっと道路から離れた奥の方の山に短期間でいけますから。Evolution Traverseとか!

Third Pillar of Danaも登りたいし、またHigh Sierraに行きたいと思います。

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