蝶ヶ岳〜餓鬼岳縦走 前編

6/28(火)〜6/30(木)の3日間で、蝶ヶ岳から餓鬼岳まで縦走してきました。


梅雨時期の平日なら北アルプスでも人が少なくていいだろうと思い計画したのですが、今年は史上最短の梅雨となってしまい、猛暑カンカン照りの縦走となってしまいました。


■1日目 上高地〜蝶ヶ岳(+大滝山)

スタートは上高地バスターミナル。
月曜、新宿発の夜行バスで出発しました。

平日でもバスはほぼ満席。
ゆったり独立シートでしたが、3時間くらいしか眠れませんでした。土日は小川山でクライミング、月曜は都内で仕事、いったん帰宅後また新宿へとなかなかに効率の悪い移動でした。移動中、山手線が止まってしまいどうしようかと思いましたが、幸い10分ほどで運転再開してほっとしました。

上高地に5:15到着。他の乗客の荷物がたくさんあったので仕方ないと思いますが、私の外付け寝マットがヨレヨレになっていました。ザックカバーつけておけばよかった。

上高地は久しぶりに来ました。
徳沢園までは知った道、昔のことをいろいろ思い出しながら歩きました。

河童橋です。岳沢方面がよく見えます。

朝の森の中を歩くのは気持ちよく、眠気もすっ飛びました。

明神岳。
雨上がり、空がキレイです。

懐かしの奥又白。

熊がよく出るのか、見通し悪いカーブ手前に鐘が設置されていました。昔はなかったと思います。

徳沢園で朝食休憩し(明神館前でも食べたので2回目の朝食!)、水を汲んで長塀尾根に出発です。徳沢園のソフトクリーム食べたかったけど、我慢しました。
気温は高かったけれど、尾根道は日陰で快適、グングンのぼって、長塀山をすぎるとお花たくさんの場所にでました。

ショウジョウバカマ

キヌガサソウ

サンカヨウ

シナノキンバイとハクサンイチゲかな?!

オオバキスミレ?スミレは種類多くてわからない!

池の畔にたくさん花がさきみだれていました。
お花畑をすぎると、雪渓とハイマツ帯がでてきて、

ドーンと素晴らしい展望。
蝶ヶ岳ヒュッテが見えてきました。

ヒュッテの後ろに聳えるのが、翌日向かう常念岳でしょう。

蝶ヶ岳山頂で、タイマー自撮り。風が強くて何回かスマホ岩から落ちました。


張り切って安曇野の夜景がよく見える見晴らしのいいところにテント張りました。テン場はガラガラ…

ではなくて、みんな風が当たらないようハイマツの側に張っていました。このときまだ昼前で、このあとも続々テント増えていきましたが、私の近くには誰も張りませんでした。

ソーラー充電しながらちょっと昼寝して、14時ころ大滝山まで空身でピストンしました。テント飛ばされないように、荷物なるべく四隅に置きました。

蝶ヶ岳から大滝山がよく見えました。気持ちよさそうな草原のような稜線です。

大滝山に行く途中も、花がたくさん。

池もあります。大滝山荘ちかくにも池あり、サンショウウオの卵(まもなく孵化)がありました。

長閑な稜線でした。
蝶ヶ岳に戻って、ご飯にしました。食欲あまりなく、アルファ米がまずくてしかたなかった。だんだん、アルファ米が美味しく感じられなくなってきています。我が家のお米を「山形県産つや姫」にしてから、な気がします。私の舌もずいぶん贅沢になりました。

夕暮れ時、ヒュッテの周りを散歩しました。カヤクグリやウソがたくさんいました。白黒のカラスくらいの大きさの鳥が飛び立つのを見ました。ライチョウにみえてしまいましたが、ホシガラスかもしれません。後を追いましたが、もうみあたりませんでした。

日が沈むと気温はグッと下がり、風も強くなりました。何度もテントの揺れで目を覚まし、この日も3時間くらいしか眠れませんでした。星と夜景がキレイでした。


■2日目 蝶ヶ岳〜常念岳〜大天井岳〜燕山荘

2時起床、3時出発です。
今日も引き続き風の強い予報です。
夜明け前の稜線はとても気持ちがいいものです。

3時半にはもう、うっすらと明るくなっています。

八ヶ岳、富士山、南アルプスのシルエットが美しい。2592峰で日の出を迎えたいと思い、急ぎました。

雲があって、まあるいお日様はみれませんでした。間に合ったのかどうかよくわからないけど、キレイでした。

枝先のカヤクグリは鈴のようでした。

常念に向かいます。ドッシリして貫禄あります。さすが百名山。

日が高くなってきて、山の色が刻々と変わっていきます。

風の強い岩々した尾根をのぼりました。時折、風でよろめきました。
山頂には既に誰かいるようです。

山頂です。
男性3人いました。蝶ヶ岳も風強かったですか、と聞かれました。常念小屋からの道のりも、風が強かったんだそうです。
今日、燕山荘まで行くと言ったら、ずいぶん遠いよ!って言われました。
昼過ぎにはついちゃいますよ~って返しましたが、どうだったかは後ほど。

山頂ではゆっくりせず、常念小屋のあるコルに向かって駆け下りました。全然風がなくて、大したことないじゃん、とおもっていたら、半分くらい下ったところで強風になりました。
ちょっとした角度のせいなのか、たまたまのタイミングだったのか。谷から吹き上げる風がまとまっている感じがしました。

変な鳴き声の鳥がいる!と探していると…

竹の棒の穴に風が吹き込んで、笛のように音がなっていたのでした。

常念小屋前で休憩して、大天井に向けて出発しようとテン場を過ぎたところで、オジサンに声をかけられました。満開だよ、と。

たしかに、コマクサがたくさん!
ちよっと遠くにはハクサンチドリ。

花がとっても好きなのでしょう。
通る人みんなに、花がキレイだよ、珍しいのがあるんだよ、と声をかけていました。

安曇野の向こう側の山の中にログハウスを借りて、ちょくちょく北アルプスに来ているのだそうです。

ハクサンチドリは近寄って見れなかったので、よくわかりませんでした。この先にはハクサンチドリらしき花はひとつもありませんでした。

風は強かったのですが、岩のテッペンでホシガラスがグァーグァーと頑張っているのが可愛らしかったです。



だんだん風が弱くなってきました。振り返るとずいぶん歩いて来たのがわかります。
大天井岳は何処だろう?
あれです!
11:00大天荘到着。ランチメニューの看板を見て、(ここで食べちゃおうかな…)と思いましたが、グッとこらえました。
小屋脇のテーブルに座っていたら、小屋のお姉さんが「おまたせしました~」と何やら美味しそうなものを持ってきたではありませんか!
驚いていると、「あれ、13番でお待ちの方ですよね?」間違いでした。

私は自前の堅ブツをボリボリ食べて、山頂に向かいました。

山頂気持ちいい!今回の最高地点です。

三角点をナデナデしてから降りました。

大天井岳から燕山荘がよく見えました。1時間半くらいで行けそうな距離だと思いました。
それに、大天荘で休んでいたとき、ダウンを着た手ぶらの男性がフラリと燕山荘方面からやってきて頂上でゆったりしているのを見て、燕山荘の小屋の人が散歩に来たのかな~と思っていたのです。(後で考えるとそんなわけない)
そのくらい、燕山荘まですぐだと思っていました。
徳沢園で汲んできた水は残り僅かでしたが、燕山荘で無料で水がもらえるとおもって、大天荘では買わずに出発してしまいました。

昼過ぎて、風が弱まり酷く暑くなりました。
歩けど歩けど、燕山荘が遥か遠くに感じました。なるべく日陰で休んで、体温が上がりすぎないよう上りはゆっくりにしました。

虫もすごかった。場所によっては、空気中の酸素濃度より虫の群れのほうが濃いと思いました。

蛙岩までたどり着いて、あともう少しだと嬉しくなりましたが、そこから40分くらいありました。

燕岳が目の前、小屋前の登りがキツかったです。
小屋に着いたのは、14:30でした。人が大勢いて、ウッと思いました。
受付を済ませて水をもらおうとしたら、水が無料なのは小屋泊まりの人のみで、テントの人は売店で買わなきゃいけないと知らされました。
確かに「宿泊のかたは無料」って書いてあった!テントは「宿」じゃないですものね。。

それで、売店に並んだのですが、ビールやらなにやら頼む人たちが行列していて、時間がかかりました。イライラしてしまいました。熱中症の初期症状でしょうか。
容器が3リッターしかないので、3リッターの水を買いましたが、足りなくなるんじゃないか不安でした。売店は18時半分くらいでおしまいなので、明日朝足りなかったらどうしようかと思いました。

テン場は、雪のないところから埋まっていて、私は雪の上でした。暑くてグシャグシャの雪の上は不快でしたが仕方ありません。

雪であんみつを冷やせたので良しとしましょう。
あんみつの甘い汁とコーヒーを飲んだら、心が落ち着きました。

当初の予定では、テント張ったら燕岳まで往復しようと思っていたのですが、疲れていてやめました。

代わりに、ライチョウを探しに小屋周りをウロウロしました。ライチョウのヒナが生まれたばかりだと、小屋ブログで知って楽しみにしていたのです。

ライチョウの気持ちになって、ライチョウが居心地良さそうなところを探しました。人がいない小屋裏の、風が来なくて、砂浴びできて、ハイマツ茂みが近いところ。

この辺じゃないかな〜と眺めていたら、小屋の作業していた方がやって来て「ライチョウ、午前中はそこにずっと親子で居たんだけどね」と。
午後は暑くてハイマツの中に入ってしまったのでしょう。残念でした。
夕暮れ時、もう一度来ようと思いましたが、テント戻ると爆睡してしまい、起きたら23時でした。

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