蝶ヶ岳〜餓鬼岳縦走 後編



燕山荘のテントの中、23時に目覚めた私は、とりあえずご飯を食べることにしました。
あんなに心配していた水はまだ2.8リットルもあります。

アルファ米に、レトルトのガパオを食べましたが、やはり食欲はなく、給食を居残りで食べさせられている小学生の気分でした。
行動食は、のこり飴7つとチョコ菓子少しととヒマワリの種を固めたバー一本しかないので、頑張って呑み込みました。
お腹いっぱいになって、また1時間くらい寝ました。

■3日目 燕山荘~餓鬼岳〜白沢登山口〜信濃常盤駅

1:30起床、2:45出発です。
雪の上だったせいか結露酷くてテントぐっしょりでした。水は2リッターあります。
昨日疲れてしまったので、このまま中房温泉へ下山してしまおうかと一瞬迷いましたが、行けるところまで行ってみようと思いました。

暗い中、燕岳に向かう道の両側は、コマクサだらけです。まるで畑のよう。ヘッデンの明かりに照らされて銀色に光りました。

燕岳までの間、ひとりだけ登山者がいました。
まだ真っ暗な中、頂上です。


燕岳を過ぎても道は遊歩道のように良くて快適でした。が、北燕岳への分岐を過ぎて稜線を少しおりた途端、様子が変わりました。
国道から田んぼのあぜ道にでてしまったかのような変わりようでした。
ほどなく雪渓が現れました。足跡っぽいくぼみがあったので降りてみたら道がありません。藪に入って向こう側を見たり、ウロウロしたけど道がない。

これは引返して中房温泉か…
とりあえず降りた雪渓の上まで戻り、もうひとつ先の雪渓の周りをヘッデンで照らしてよーくみてみました。そうしたら、先ではなく、手前の下の方に道らしき藪の切れ目がありました。行ってみたらビンゴでした。

その先も少し悪い感じのトラバースが続きましたが、稜線に戻るとまた道がよくなりました。
東の空が赤く染まりだしました。

振り返ると、岩が淡いピンク色でした。


花崗岩の砂地やハイマツのブッシュを抜けて、尾根を乗り換える下降地点まで来ました。

エアリアで、「遅くまで残雪あり、道迷いに注意」とあったので、今回一番警戒していましたが、最初の雪渓より道はわかりやすかったです。明るくなってきたおかげかも知れません。

ここは、アイゼン装着しました。久しぶりに登場、レオパードくんです。

アイゼン外して、はっと顔をあげると雪渓が朝日に染まっていました。
雲からちょっと遅い日の出です。
あれ、この写真、太陽が2つある!!

ここまできたら、もう半分終わったようなものです。ドヤ顔!

東沢乗越まで一気にくだりました。
かわいい花はベニバナイチゴ?!

下り途中、滑落しかけました。
灌木の枝掴んでたら、ポキッと…体制すぐ立て直して無事でした。よかった。

途中、登山道にフレッシュな熊のフンがあって、熊鈴持たない主義の私は、ずっと奇妙な鳴き声を発しながら歩きました。誰か来たらヤバい奴だと思われたでしょうが、誰にも会いませんでした。

東沢乗越は風が通って気持ちよく、少し休憩。
ここからまた上って、中沢岳。

中沢岳のテッペンから餓鬼岳方面を眺めました。いい感じの稜線が続きます。

気温がグングンあがってきました。岩々した稜線を行くと、また超フレッシュな熊のフン!
岩を回り込んだらバッタリ、なんてことにならないよう、時折、警戒の鳴き声を発して進みました。

ナメクジみたいな岩があったり、
岩を巻いてザレがあったり、

楽しい道でした。

剣ズリあたりの岩はクラックが発達していて、興味をそそられます。

東側からガスってきて、日差しを遮ってくれたら嬉しいと思いましたが、稜線まで昇ってきませんでした。

餓鬼岳小屋に9:40分頃到着。布団干してました。準備中かな?

餓鬼岳頂上でヒマワリの種のバーをたべてエネルギー補給。来た稜線をみると、見事に半分ガスでした。

白沢登山口めざして、駆け下りました。餓鬼岳から4時間半と書いてありましたが、3時間半で降りるつもりでした。大凪山まで1時間半。道標にはあと2時間半とあったのでいいペース?!と思ったのですが、標高下がると蒸し暑く、先程まであった雲もどこかにいってしまって、暑くてペースが落ちました。まだ豊富にある水をかぶって、頑張って最終水場にたどり着いてジャブジャブしました。

Tシャツとアンダーウェアを水に浸して着ました。これで生き返った!
あとは沢沿いの涼しい道を行くだけです。

白沢という名前だけあって、白くて綺麗な沢でした。
沢に浸かってジャブジャブしたかったけど、我慢して先を急ぎました。沢沿いとはいえ、滝を迂回するようにアップダウン多く、登山口はまだまだ遠かったです。途中で早く降りるのは諦めて、ゆっくり行くことにしました。

途中、珍しい花発見。なんてなまえのはな?ナンバンギセルかと思って写真撮ったのですが、違うみたい。キバナノショウキランかな?

ガマガエルもいました。
沢沿いの工事現場の足場みたいな登山道を延々上ったり下りたり繰り返しました。大雨直後だったらここ通れなかっただろうな、と思いました。

いい加減疲れて嫌になってきた頃、まだひときわ大きな上り坂があって、もう勘弁してくださいと思って登ったら、登山口の林道でした。

意外なことに、沢沿いの登山道より林道のほうが涼しいと感じました。

結局、登山口着いたのは14:30。最初の道標通り、餓鬼岳から4時間半強でした。

登山口から駅まで、まだ歩きます。

途中、あずみの公園でひとやすみしつつ、車道を歩きました。
下校中の小学生たちとすれ違いましたが、みんなキチンとマスクしています。こんなに広々したところで暑いのに!

畑のソバの花を眺めつつトコトコあるいて、駅前のお店でまんじゅう買いました。

信濃常盤駅です。大糸線初めてのりました。

長野でよく見かける赤飯まんじゅうです。あん入りを買いました。すごーく疲れていたはずなのに、電車では一睡もできず、22時に帰宅しました。
翌日は仕事です。久しぶりに太股筋肉痛になりました。
ちょっとハードスケジュールでしたが、大変満足しました。

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