今年の夏、釣竿を買いました。
これまで沢登りの時にも、同行者が釣りをして魚を食べる機会はありましたが、あまり釣りに興味はありませんでした。私は焚火など炊事の準備をする方が楽しかったのです。
昨年の釣りシーズンも終わりの頃、初めてイワナを釣って、少し面白いなあと思ったくらいでした。
怪我の影響もあって、今年は本格的な沢登りはせず、涼む目的で泳いだり歩いたりする程度でした。それならば釣りもしてみようと、友人に同行してちゃんと釣りをしてみたら楽しくなってしまったのです。
マイ釣竿を手に入れたら、すぐにでもひとりで源流釣りに行きたくなってしまいました。
公共交通機関のみで、2泊3日で行けるところを探しました。
奥多摩や奥秩父が手軽そうですが、せっかくなのでもっと遠くへ行きたいと思いました。
ちょうど「源流テンカラ」の本を読んでいて、只見線沿いの沢がいいと思い、計画を立てました。しかし、只見線は本数が少なくて、どうしても前泊が必要でした。
それで、会津若松に前泊して、行くことにしました。
(9月初旬のことです)
高速バスで会津若松駅前へ。実は初めて訪れた会津若松。
駅前の巨大赤べこや会津っこ宣言の看板が新鮮でした。
歩いて鶴ヶ城まで行き、「あわまんじゅう」と「手作りジェラート」を食べました。
「あわまんじゅう」は会津柳津名物で、友人が是非食べるといいと勧めてくれたのです。
そして、夜は「まるやま」で豪華な定食をいただきました。
翌朝、西若松駅から只見線に乗りました。
この駅はホームが少し特殊で、特定の列車のみ、改札からは入れない1番線出発のようです。
6時台の始発を逃したら次は14時過ぎになってしまうので、2番線ホームで良いのかドキドキしました(駅員さんはいなかったのです)
無事、只見線に乗ってひと安心。
ホームと待合室の小さな小屋だけの駅で降りて、農道を歩きました。
途中から、舗装された林道を歩いたのですが、河川工事の作業車が行き交い、その度に退避しなくてはならず、疲れました。しかも、登山道でもない道を一人歩いているのを不審に思ったダンプカーの人たちが次々私に声をかけてくるのでした・・・
入渓点までは街歩きの格好でいいと思っていたので、お気軽ハイキングの人に見えたせいもあったのでしょう。
ともかく、そんなダンプカーを20台くらいやり過ごし、沢へ降りる予定のところまで来ました。ゼンマイの藪で覆われていて、踏み跡は見当たりませんでした。当たりをつけて、藪漕ぎして行くと、運よく崖になっていない切れ目のところから歩いて降りることができました。
沢の水はとても暖かくて、イワナがいるとは思えない感じでしたが、稚魚がたくさん泳いでいました。ゼンマイ道を探しましたが、藪が酷く、すぐに沢を進むことに決めました。
しばらく平坦な河原でしたが、ゴルジュが現れると巻くのは困難で、ところどころ泳ぎました。2時間ほどで、宿泊適地を見つけてキャンプ設営してから釣りに行きました。
水温がとても高かったので、本当にイワナがいるのか疑問でしたが、途中の淵で小さめのイワナの群れを見かけたので、張り切って出かけました。
この日はヘビの泳いでいた大きめの淵のところまで行きましたが、全く釣果なし、でした。
涼しくなって出てきたのでしょうか、私に驚いて飛び跳ねたやつもいました。
明日は朝早くから、上流まで釣りに行こうと、早めに就寝しました。
明日は朝早くから、上流まで釣りに行こうと、早めに就寝しました。
よく眠れました。
朝、出発しようとして、いろいろ心配になりました。
焚火はきちんと消した方がいいのか、食料は置いておいて大丈夫なのか。
これまで、沢中同じ場所に連泊したことがなかったのです。
焚火は水をかけておいて、匂いのしそうなゴミや食料は全部持って出発しました。
昨日、薪を集めている時、キャンプ地の少し上流で腐敗臭がして、嫌だなあと思っていたのですが、その辺りで尺オーバーイワナの死骸を見つけました。匂いの原因がわかってほっとしましたが、なぜイワナは死んでしまったのでしょうか・・・
ちなみに、水は全て浄水器を通してから煮沸もして飲みました。上流の匂いが気になったのと、水温が高かったので警戒しました(この時世間では川遊びで集団食中毒のニュースもありました)
早速、枝沢の水溜りに泳ぐイワナを発見しました。
近づいてそうっと釣ろうとしたものの、顔まわりに虫がたくさん集まってきて、追い払おうとしたらイワナがいなくなってしまいました。また帰りに見にくることにして先へ行きました。
メジロやメマトイなど虫がすごくて、不快でした。
そこで、虫除けの顔を覆うネットをかぶってみました。ずっと被ったままいきました。
魚影はありましたが、全く釣れず、そのうち昨日の午後のようにかんかん照りになってしまいました。適当なところで引き返し、朝、イワナがいた水溜りで再チャレンジしました。
イワナは少し興味を示したものの、無視して回遊していました。
仕掛けを替えて再チャレンジしたものの、いなくなってしまいました。
仕方ないので、少し下流へいって支流を見てみました。この支流の辺りからゼンマイ道があるはずなので、帰りに使えないか探してみましたが、全くわかりませんでした。もし、増水したら帰れなくなります。
本流を少し下って、滝壺を釣ってみようとしました。
すると、途中、逃げる魚影がチラホラ。ガッカリです。いるのに釣れない・・・
再度上流へ戻り、あのイワナのいる水溜りに行ってみましたが、もうイワナの影はありませんでした。
諦めて、焚火を楽しみました。
キャンプ地は最高で、2晩目もよく眠れました。
最終日、朝雨が降ってきたので早めに撤収しました。
それでも途中、イワナのいる淵が気になって竿を出しました。
完全に無視されました。
雨は止んで、増水することもなく、無事林道へ戻りました。
帰りは、電柱を目指し田岡げかさほど藪漕ぎせずにすみました。
また河川工事の車両が行き交う中帰るのは嫌だなあと思って、途中山側の農道に入ったら日陰で涼しくてすごく快適でした。行きもこちらにしておけばよかったと思いました。藪っぽいのかと避けたのですが、きちんと手入れされているいい道でした。
駅まで戻って、待合室で荷物を整えたり、着替えたりしました(この時、バイルを落としたと勘違いしてダッシュで来た道を200mほど引き返したのですが、バイルは、林道に出た際にザックの中にしまっていたことを思い出して、ほっとしました)
駅はトイレがなくて、困ったなあと思っていましたが、国道に出たところに登山者も使える「さわやかトイレ」があって感激しました。
帰りの電車はまだまだ来ないので、お店がいろいろある只見駅前に向かって車道を歩きました。雨の心配はすっかりなくなりました。
途中に叶津番所(旧長谷部住宅)があって、立ち寄って見学しました。
只見駅近くの風呂に入って、公園でぼんやりした後、駅前でイワナのシールと蜂蜜を買って、マトンケバブを食べたりしました。平日でしたが、只見駅周辺はそれなりに観光客がいました。
只見駅でゆっくりしようとしたら、立派なカメラを構えた2人組のおじさんが、いきなり私の写真を取らせてくれと言ってきたので断りましたが、しつこかったです。私の格好が面白かったのでしょうか?
只見線に乗って、帰りは小出で下車しました。
電車だと、その日のうちに横浜へ帰れないのですが、小出ICの高速バス乗り場まで30分ほど歩けば、バスで帰ることができるのです!
釣りとしては全くダメでしたが、満足いく旅となりました。
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