カナダから帰国した翌週、北海道に行ってきました。家族旅行に続けて大雪山系の縦走です。
北海道はよく行くのですが、ちゃんとした登山はしたことがありませんでした。
なぜなら、ヒグマが怖くて、単独で縦走するのを躊躇していたからです。
旭岳は家族旅行中に行くつもりだったので、のこりのトムラウシと十勝岳を登ろうと思いました。地図をみて、3日で行けそうなコースのあたりをつけていました。
で、旅行中の新富良野プリンスホテル。
藪の中で、水路じゃなくなった箇所に熊フンを見つけて、ひとりワアワア騒いでしまいました。カムイミンタラ=ヒグマがたくさん集まるところ とは本当のようです。ヤブが終わると、風がビューとさむいお花畑です。コマクサが咲き乱れていて、癒されました。
途中、落とし物を探しに戻っているご主人を待っている奥様に出会いました。足元がろくに見えない藪の中に落としてしまったら、終わりではないでしょうか。その後、ご主人に会ったら、案の定、見つからなくて諦めて進むことにしたそうです。
泥沼越えや笹藪漕ぎのせいでかなり小汚かったからかもしれない、と思いました。
最上階の大雪山側と最高の部屋なのに、山一切見えず… 天気は最悪でした。
家族での旭岳(ロープウェイ使用)も取りやめに。
不安定な天気が続くようでしたが、そこまで悪くなさそうなので予定通り決行することにしました。
お義父さんに、旭川駅前で送ってもらいました。
■1日目 旭岳原水公園〜ヒサゴ沼
旭川駅から旭岳行きのバスに乗車し、途中の旭岳原水公園で降りました。
ここは美味しい湧き水で有名らしいのですが、公園から300mくらい歩く必要があるそうで、
その往復の時間が惜しいので、宿から2.5リットル水を持参して行きました。
バス停は公園内ではなく道端で、降りたのは私一人。ここから天人峡温泉へ2時間、車道を歩きました。熊に注意の標識が2回あるし、川沿いの道なので、熊が怖い!
天人峡温泉に可雲岳登山口があり、そこから入山しました。10時半。
天人峡温泉はうら寂しい感じでした。トイレや足湯はあるけど水道なかったので水を汲んできて正解でした。
滝みたいな登山道をあがると、水路みたいな沢の源頭みたいな水路をヤブかき分けすす見ました。
藪の中で、水路じゃなくなった箇所に熊フンを見つけて、ひとりワアワア騒いでしまいました。カムイミンタラ=ヒグマがたくさん集まるところ とは本当のようです。ヤブが終わると、風がビューとさむいお花畑です。コマクサが咲き乱れていて、癒されました。
藪はなくても、ずっと水路(登山道)は続きます。チングルマがいい感じです。
水路で転けたせいもあり、久しぶりにパンツまでずぶ濡れになって歩きました。このまま雨なら避難小屋に泊まろう、と弱気になっていました。今回はテントではなくツエルトだったので、ざんざん振りだと辛いのです。
と、いきなり青空が広がりました。
晴れたら気分良くなって、ウキウキでヒサゴ沼へ小走りに行きました。
エゾシカのバンビがドボッドボッと湿原をはねていて面白かったです。若いからか、興味を持ってこっちを見つめて近づいてきました。「ひとりなの?」と訊いたら、近くに両親らしき鹿が2匹いました。
天気も良くなったので、ヒサゴ沼では小屋には入らず、ツエルトでとまりました。
この後、夜は晴れて星がきれいでした。
■2日目 ヒサゴ沼〜トムラウシ〜双子池
朝5時、朝食は取らずコーヒーだけで出発。
夜は晴れて風もあったのに、ツエルトは盛大に結露してビショビショでした。
雪渓を少し歩くと、ゴーロ地帯に出ました。ナキウサギがウジャウジャいました。
カナダのナキウサギとは鳴き声が違うときいていたので、なるほど、と思いました。リスみたいな声でした。
クワウンナイ川を詰めるとこの先のコルに出るらしいです。
最初、クワウンナイ川遡行もいいな、と思っていたのですが、今回は濁流になっていたので、普通に縦走にして良かったです。
振り返ると、化雲岳がとおくに見えました。
トムラウシは雲の中です。
結局、トムラウシの山頂はずっと雲の中で寒かったので、サッサと通り過ぎました。
トムを越えると人がいっぱいやってきました。
南沼キャンプ場をすぎて破線ルートに突入すると、静かになりました。
そして、また晴れてきました。登山道上にまたモリモリの熊フンを見つけましたが、昨日見て慣れたのか、そこまでワアワアしなくて済みました。
稜線から見下ろすと、美しいヒグマの庭園が見えました。
10時半、休憩してコーヒーと大福タイム。
今回、私としては食料はすごく少なめで、この大福は一番豪華なオヤツでした。
休憩後、登山道はヤブヤブしてきました。ところによっては自分の背より高い笹薮。
藪の中、単独男性、単独女性とすれちがいました。
熊鈴は「熊よけ鈴」ではなく「熊と間違わないでね鈴」だなあと思いました。鈴音なくガサガサきたら熊よけスプレーを構えてしまいます(単独者は皆スプレー携帯していました。私も、持っていたスプレーがちょうど期限切れになるため、道内で購入しました)。
天気はいいし、ヤブ漕ぎは嫌いじゃないので、気分よく進みました。
ふと、ふりかえるとトムラウシは雲が取れていました。
途中、落とし物を探しに戻っているご主人を待っている奥様に出会いました。足元がろくに見えない藪の中に落としてしまったら、終わりではないでしょうか。その後、ご主人に会ったら、案の定、見つからなくて諦めて進むことにしたそうです。
が、彼らとすれ違って1時間くらい歩いた先で、私、拾いました。拾って持ち帰りました。ヤマレコやヤマップで該当者いないか探しているのですが、見当たりませんでした。
雨が降ってきました。カブト岩を過ぎたところで、若者2人とすれ違いました。
「しんどいですね〜」と、何故か少し嬉しそうでした。もう15時過ぎだったので、夜通し歩くのかもしれません。
まもなく野営指定地である双子池なのですが、先ほどの落とし物をした夫婦から聞いていた通り、ひどいドロ沼道となりました。頑張って、突っ張ったり、へつったり、飛んだり跳ねたりしていたのですが、結局、広大な池が現れて、もう道ですらなく、覚悟してドロ沼に足首まで浸して歩きました…
双子池は、うっかり通り過ぎそうなところでした。
ずっと前に、私を追抜いていったカップルがテント張っていたので、野営地だとわかりました。
テン場というより登山道がちょっと広くなった感じ?!
写真は翌朝です
泊まりの準備ができてツエルトに入って横になると、雨が強くなりました。
■3日目 双子池〜オプタテシケ山、美瑛岳、十勝岳〜吹上温泉
翌朝、ツエルト内の足元に水たまりができていたものの、寝袋や体は濡れず、雨の中のツエルト白としては、まあ上出来でした。
予定より1時間早起きして、早めに温泉に到着するつもりが、快適だったのか疲れていたのか、ぐっすり寝てしまい、寝坊してしまいました。結局この日も5時出発。
オプタテシケ山にむかって登ります。
登りはコースタイムの半分でいけたので、頂上で濡れたいろいろを干しました。
そうしたら、人がたくさんやって来ました。オプタテシケ山より美瑛富士側は登山道もすごく良くなっていて、人気の道のようでした。
オプタテシケ山頂から絶景でした。
ここから先、いろいろな、人に「どこから縦走ですか」とかなんとか、縦走している前提で話しかけられました。オプタテシケ山は日帰りや、美瑛岳や十勝岳と合わせて周遊する人が多そうでしたが、何故か何日かけて縦走していると思われました。その通りなんですが、今回の私は38リッタートレイルバムのザックで、一見日帰りとも思われなくもなさそうなんですが・・・
泥沼越えや笹藪漕ぎのせいでかなり小汚かったからかもしれない、と思いました。
それに、泥につかった靴や靴下はずっと濡れたままで、とてもクサイ!
精油ブレンドの特製消臭スプレーを持ってきていましたが、焼け石に水でした。ツエルトの中も、泥臭かったです。
優秀なのはGUで購入した短パン。乾きもいいし、臭くならなかったです。1200円でした。
10時頃、ナキウサギの声がキュウキュウ聞こえるあたりで休憩しました。今回、たくさん持ってきたドリップコーヒー。カフェインがいいのか、飲むと元気になりました。
ナキウサギが登山者の前に現れて、ナキウサギ渋滞?撮影会?が始まって賑やかでした。
美瑛富士避難小屋をすぎると、いきなり雨になりました。雨だし、もともと立ち寄るつもりもなくて美瑛富士は割愛。その後、美瑛岳もガスっているなら割愛しようと思っていましたが、登って行ったら晴れてしまったので、山頂往復しました。
美瑛岳をすぎると風景は一変。
火山の荒凉とした風景です。日差しも強くなり、喉が乾きました。が、水は持参した2.5リッターから追加しないままここまできてしまいました。残り250ml。あと5時間くらいあります。
オプタテまでコースタイム半分だったのに、この時点で予定より1時間遅れてしまっていました。それで、少し急ぎました。
砂漠のような砂山を登りました。
すると前方から短パン族で、ウルトラライトスタイルのお兄さんがやってきました。
黒岳まで縦走するらしいです。それにしても荷物が小さいので、2泊3日くらいで行ってしまうのでしょう。筋肉モリモリな人だったので、食料足りるのかな?と心配になりました。
私も、今回食料は、いつもよりすごく少ないです。家族旅行中に食べ過ぎてしまったので、摂生しました。
アルファ米4、魚の缶詰2、フリーズドライスープ3、ふりかけ3、
チーカマ3本、甘納豆120g フリーズドライミルク80g、
ハイチュウ1、みぞれ玉8、ごま大福1、
焼き昆布1、シーズケース1、粉末スポドリ3
あとはドリップコーヒー、梅昆布茶
十勝岳ってどれかな?とワクワクして進みました。実は、十勝岳がどんな姿をしているのか全く知りませんでした。
十勝岳が見えてきました。
で、山頂を越えてびっくり!煙がすごい!!思わず「なんだあれ?!」と口にしてしまいました。
途中にポツンとあったボルダーが素敵でした。
吹上温泉へトラバースする道の渡渉を心配していたのですが、双子池の沼より全然水がなくて、問題ありませんでした。この辺りで、十勝岳の頂上にいた男性に抜かれました。吹上温泉に駐車して、朝バスで十勝岳温泉まで行き、富良野岳から十勝岳までぐるっと回ってきたそう。
吹上温泉につきました。温泉は混雑していましたがいいお湯でした。
ここでカップ麺、アイス、ポテチ、アイスチョコミルクドリンク、コーラなど購入。
気温が高いけれど虫はいなくて快適でした。が、なかなか眠れませんでした。
■4日目 吹上温泉〜白金温泉 バスで美瑛駅、旭川空港へ
朝はゆっくりして8時くらいに出発しました。吹上温泉からは十勝岳温泉方面のバスしかないので、白金温泉まで2時間ほど歩いていく予定でした。
途中、望岳台のあたりの探勝路に迷い込み、堤防工事道路に迷い込み、少し時間がかかりました。白金温泉は人気の観光地のようでした。観光地価格の高いアイスを食べて、バスで美瑛駅までいき、ランチにしようとしたら行きたいお店はお休み。リーズナブルで量が多めのお店は大行列。で、ちょっと贅沢しました。お薄もいただきました。
私以外みんな外国人・・・
物足りなくて、その後パンを4種類買って食べ、空港についてからも唐揚げとビールのセットを注文してしまいました。空港からは旭岳やトムラウシなど山々がよく見えました。
そういえば、ビリビリしていた足はすっかり良くなっていたのでした。
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